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やりたいこととか描きたい漫画・書きたい小説ばっかりが身の回りをぐるぐるしているから困った。どうしたもんか…趣味だけでも楽しく続けないと愚痴が沢山になってしまう…
でも取り敢えず今日も足立さんが愛しくて世界が回っているので何の問題もないとみた。
1月のインテ一般で行きます。楽しみぽよ^ω^
久々に見た完二の耳には、きらきら光るピアスが並んでいた。
昔は並んでいた身長もいつの間にかずいと抜かれていて、やたら体格が良くなったのも相まってだろうか。喋ると完二に間違いはないのに、まるで赤の他人を見ているかのように錯覚する。完二、と呼ぼうとして声が喉に詰まる。
長い時間はゆるやかに人を変えてゆく。ゆっくりと完二は俺の知らない完二になっていったし、きっと俺だって違わずそうなのだろう。特に変わったとも思わない手足も、五年遡れば小さくて弱々しいものだった。忘れてしまいそうになる。不変を心ならずに求めた結果、俺は自分の変化にすら気づかないなんて。
校内で時々見かける完二はいつでも一人だった。
それは高校に入ってからも変わらず、伸びた身長も、光るピアスも、やたらとがっしりしてしまった背中も赤の他人のようで、それでも俺はその赤の他人、完二を目で追ってしまうのだ。たまに聞こえる声すらいつの間にか低くなっていて、あの完二が、と笑う俺の声も低くなっていた。つまりは、時間の流れとは、そういうものなのだろう。
変化していく。きらきら光る。知らない、知っている幼馴染。
完二、と呼ぶ声が喉に引っかからなくなる日。
それも変化してく内に、するりと届く日。
少しだけ、早く来ないかと期待している。
きらきら光る、光る、光る。
その、ちらつくひかりを。
空想アリア様
友人から「陽介描いて!」と言われて調子に乗った結果がこれでした。
陽介は描いた。何一つ間違っては、いない(自己暗示)
その姿は、とても「しあわせなかたち」に見えた。
長く伸びる影は無邪気に繋がる。伸ばした手を握る無骨な手はその性格に違わず不器用で、それでも言葉にせずとも分かるような優しさが影からも滲みでているようだった。堂島さんは、決して職場では浮かべないような笑みを、優しさを、愛を、全てを無償で注いでいた。奈々子ちゃんはそれだけ大事なのだ。あの頑固な堂島さんの人生を一瞬で動かしてしまう、小さな存在は実に怖い。奈々子ちゃんはそれを知らずに向けられた愛を喜ぶのだろう。
歪なようで、正しい家族のかたち。
それは、それはとても不思議な感覚だった。
(僕には、分からないなぁ)
この町には望まない優しさが多すぎる。
僕の生きてきた都会という街には無いものが多すぎる。
生きているだけで、歩くだけで慣れない会話に全身がふやかされるような思いだった。
分からないなぁ。
分からないなぁ。
繰り返す。口笛でも吹くように口ずさむ。
「…分からないなぁ」
(もしも僕が)
(こんな町で)
(ランドセルを背負った帰り道、知らない老人に挨拶されるような)
(そんな)
(そんな、人生を生きていたら)
(もしも僕に)
(あんな父親がいたら)
(無償の愛、を)
(見返りなど求めず)
(そそ、ぐ)
(そんな)
そんな「しあわせなかたち」があったら、なぁ。
(なんて、ね)
空想アリア様